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EtherCAT

EtherCAT®はドイツのBeckhoff Automation GmbHが開発したイーサネットを使用したオープンネットワークです。現在はETG(EtherCAT Technology Group)により管理されています。通信帯域を有効活用した高効率通信を特長としています。ノード間のデータ通過時間による遅れを調整した同期制御が実現できるため、モーションコントロール用のネットワークとしても対応できます。

EtherCAT®には一定周期でデータ送受信を実行するサイクリック通信と任意のタイミングでデータ送受信するメッセージ通信があります。サイクリック通信では、一定周期を保つためにネットワーク遅延も計算して同期するディストリビュートクロック機能なども用意されています。

プロセスデータオブジェクト (PDO) 通信機能(サイクリック通信機能)

スレーブに対して、一定周期かつ一斉におこなう通信です。通信周期は全スレーブ共通になります。マスタ・スレーブ方式を採用していますが、ノード番号ごとにデータを記入する領域が決まっているため、マスタ側では接続するノード数と通信周期を設定するだけで通信できます。

・ディストリビュートクロック

EtherCAT®では通信経路に全二重のイーサネットを採用しているため、通信経路にはリング構造が構築できます。各デバイスをパケットが通過する時間をサンプリングすることで、通信経路上の遅延時間を計算できるため、各デバイス間での開始タイミングをジッタ1 μs以
内で同期することができます。

メールボックス送信機能(メッセージ送信機能)

ノードから特定のノードに対して、任意のタイミングで、1:1でデータを送受信する伝送方式です。実際に通信に使用するパケットは、サイクリックで通信しているパケット内に埋め込みます。そのため、データ送信後、レスポンスが返ってくるまでに、2周期分の時間が必要になります。そのほかにEtherCAT®には通信するデータの中にEthernetのパケットをカプセル化して通信するEoE(Ethernet over EtherCAT)機能や、ファイル転送のパケットをカプセル化して通信するFoE(File overEtherCAT)機能があります。

配線方法

汎用イーサネットをベースにネットワーク環境を構築できます。一般的には数珠つなぎ(デイジーチェーン方式)の配線が推奨されていますが、スター型、ライン型、リング型など自由度の高いトポロジーに対応しています。最大で65535台のノードと接続できます。

通信プロトコル

EtherCAT®ではオンザフライ方式を採用しており、1つの固定長パケット内で、各ノードで使用する領域が決められており、パケットがノードを通過する際にノードの情報を追加して次のノードに送ります。そのため、ネットワーク内に送られるパケット数が少なくてすみ、効率的な通信が実現できます。

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