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DeviceNet

DeviceNet™は、1990年代にアメリカのRockwell Automation,Inc.によって開発されたオープンネットワークです。現在では、ODVA (Open DeviceNet Vendor Association,Inc.)が管理、認証、普及活動をおこなっています。ODVAに参加すれば、仕様書を入手でき、DeviceNet™対応装置を製造できます。2015年7月時点で500社以上のベンダーから、DeviceNet™対応製品が発表されています。

DeviceNet™はマスタ・スレーブ方式のネットワークです。リンクデバイスや通信制御は、マスタ側で集中管理し、スレーブ側での設定は不要です。データを自動的に更新するI/O通信機能と任意のタイミングで通信を実行するメッセージ通信機能に対応しています。

I/O 通信機能

マスタとスレーブ間でリンクデバイスのデータを自動的に交換する機能です。DeviceNet™では、データを送受信するタイミングにPoll、Bit-Strobe、COS、Cyclicの4つの方法を選択できます。

Pol(l ポーリング)

各スレーブとのデータ送受信を順番に繰り返し実行します。Bit-Strobe(ビットストローブ)マスタから1ビットの出力情報を、各スレーブに同時に送信し、それに対して各スレーブがマスタにデータを送信します。

COS(チェンジオブステート)

入出力データに変化があったときに、対象のマスタ・スレーブ間でデータを送受信します。

Cyclic(サイクリック)

各スレーブと一定周期ごとにデータを送受信します。

メッセージ通信機能

マスタからスレーブに対して、任意のタイミングでコマンドを送信し、それに対してスレーブがレスポンスを送信する機能です。スレーブの設定内容の変更やエラー詳細の読み出しなどができます。コマンド/レスポンスでやり取りできるデータや指令の詳細はスレーブで決められています。

配線方法

DeviceNet™ではデイジーチェーン、枝状分岐のバス接続、分岐タップを使用したスター型接続などのトポロジーに対応しており、自由度の高い配線ができます。総延長距離は最大500 mです(伝送速度により最大総延長距離は異なります)。RS-485ベースで通信をおこなうため、ケーブルの両端に終端抵抗が必要です。電源ラインと信号線を同一の多芯ケーブルとすることで耐ノイズ性を強化しています。専用の5ピンタイプのコネクタを使用し、各信号線の配線色を規定しており、誤配線による破損防止に取り組んでいます。接続できるノード数は最大64ノードです。

通信プロトコル

CANの通信プロトコル上でデータをやり取りします。マスタ・スレーブ方式を使用して通信しており、各ノードと通信するデータについては種類ごとにデータプロファイルという仕様で定義されています。データプロファイルに合わせたEDS(Electronic Data Sheet)をマスタに登録することで、異なるメーカの製品間の通信を簡単に実現できます。EDSファイルはDeviceNet™対応機器のそれぞれのメーカから提供されています。また、EDSファイルに設定されているデバイス範囲は1パターンとは限らないため、複数のパターンから選択して、用途に応じてデバイス範囲を変更できます。

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